2013.01.30
1月30日 春の足音

2013年になり、早くもひと月が経とうとしています。

もうすぐ「節分」、そして翌日は「立春」ですね。

寒さはまだまだ厳しいながらも、春はすぐそこまでやってきているのでしょうか。

 

1月25日に、杉並区のデイサービスで行われた書初めの様子をご紹介します。

昨年より三度目のご訪問ですが、皆様とても楽しみにして下さっていてたくさんの笑顔で迎えていただきました。

この日の参加者は11名、私の仲間2名とデイホームスタッフ4名の計7名で協力しました。

 

まずは、筆づかいの基本練習から。

皆さん一生懸命に、そして楽しみながら書に取り組んでいらっしゃいます。

 

 

 

書初めのお手本は、お正月らしいおめでたい語句や、一日も早く暖かい春を感じていただけるよう「春」が入った言葉などたくさんご用意して、お好きなものを選んでチャレンジ。

お歳の大きい方から順番にお手本をお選びいただく時間も、賑やかなひと時です。

書初めの定番と言える「門松」、そして「春の足音」が人気を集めました。

 

 

 

 

日本古来の伝統行事である書初め。

平安時代、宮中の習わしだったものが、江戸時代の寺子屋の普及と、明治以降、学校で習字が必修になってから一般にも広まりました。

昭和の初めのころまでは、元旦に汲んでおいた若水(わかみず)で墨を磨り、2日に家族で書初めをすることが広く行われていたようです。

そして、1月11日のどんど焼きの火で燃やし、その燃えた紙が高く舞い上がれば舞い上がるほど、その年は書が上達すると言われていました。

 

 

 

焚火の周りに、書初めの清書や反古にした紙がたくさん集められて、燃え上がる炎とともにふわふわと舞い上がり、その行方を追う子供達の瞳の輝きが目に浮かぶようです。

現在では、小中学生の書初め大会が行事として残っているぐらいですが、年の初めにゆったりと心を静めて墨を磨り、抱負や目標を考えて書にしたためるのは、とても意義のあることだ思います。

 

 

 

私の書道教室においても、毎年、新年初回のおけいこは全員で新年の抱負の書初めを行っています。

日本の季節の伝統行事に興味を持ち、受け継いでいく心を育んで行けたらと願いながら。

 

 

 

 

そして先週はもう一つ、節分に向けたイベントに携わらせていただきました。

「書風はお任せします」とのご依頼だったので、自由に書かせていただきました。

web上の作業を経て、どんな姿になってお客様のお手元に届くのか、楽しみです。

 

 

 

 

 

 

冬から春への季節を分ける節分は、立春を新年の始まりとしていた昔の暦では、大みそかにあたる大切な日でした。

今年は例年以上に冷え込む日が続き、インフルエンザや風邪などで体調がすっきりしないまま新年を迎えられた方も多いのではないでしょうか。

 

まだ書初めをされていない方も、2月4日の立春をお正月と考えて、新しい一年に向けて気分一新、書初めをして気持ちを新たに引き締めてみるのもいいかなと思います。

豆まきで前年の邪気を払って無病息災を祈り、福を巻き込む恵方巻を食べて節分を楽しみながら、今年1年の目標を考える。

新しい春の到来に、福が舞い込み、明るい一歩が踏み出せるような気がします。

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