2014.12.10
12月10日 世界への架け橋 vol.5

寒さが一段と厳しくなり一気に冬へ進んだ今日この頃。

皆さま風邪などひかれていませんか?

書道教室には書初め用紙も届き、書初めの練習がたけなわです。

 

 

野球やサッカーなどのスポーツでは本番の試合が、ピアノやバレエでは発表会があるように書初めも多くの人に見てもらえる書道の腕の見せ所。

 

 

 

 

近隣の公立小中学校では校内書初め大会で代表になった作品が世田谷美術館の世田谷区立中学校生徒作品展覧会や、杉並区連合書初め展などで展示されます。

その他民間の書初めコンクールに出品する私立小学校の書初めは、床の間の掛け軸のサイズに挑戦する子も。

 

 

 

 

 

鉛筆では我流に書く子も毛筆となると新鮮さが先立ち、太い筆をしっかり持ってお手本を見ながらゆっくり運筆。

自然に硬筆も上達するという嬉しい効果も得られます。

今年もどんな力作が生まれるのか楽しみです。

 

 

 

 

そんな初冬のある日、外国人留学生のための着物着付けイベントに参加するため町田市にある0大学へ。

 

 

 

 

『日本を選んで留学してきてくれた学生達に、座学だけでなく日本の文化と伝統の詰まった着物を着てもらうことが日本人の心に触れ真の日本を理解することになるのではないか。そして、一度でいいから着物を着てみたいという教え子たちの願いを何としても叶えてやりたい。』

という、大学で非常勤講師をしている友人の熱意ある活動に賛同した様々な業種の方が参加されています。

 

 

 

広々とした教室には着付けや、ヘアメイク、写真撮影のために駆け付けたボランティアスタッフ約25名。

アメリカ、ベトナム、中国、ロシア、韓国などから留学している大学生19名が笑顔で触れ合い、和を十分に体感してもらいつつ交流を深めました。

私は記念撮影の背景用に「翔」という書をご提供。

 

 

 

 

来年の干支の「羊」に「羽」の入った「翔」の字。

志高く夢に向かって大きく飛翔してほしいと願いを込めました。

筆を持つこともそうですが、現代では日本人でも着物を着る機会は非常に少なくまして着付けが出来る人や自分で着られる人は稀少ですね。

日本のタンスにはなんと約8億枚という数の着物が眠っていると言われているそうです。

祖母や母が大切にしていた、様々な想いのこもった貴重な着物。

私もこの活動に参加することで、書に繋がりの深い着物の魅力を再発見することが出来てとてもありがたく思っています。

さて、格式ある礼装の振袖を着ることが出来るという期待に胸を膨らませてやって来た学生達。

 

 

たくさんの温かい手により和服美人に生まれ変わって輝く笑顔に。

 

 

 

 

男子は撮影用の日本刀を携えると表情まで凛々しく引き締まりました。

 

 

 

華やかな髪飾りはスタッフの手作り。

 

 

 

金色に美しく映える扇は、スタッフのイラストレーター・旅行コラムニストの森優子さんが日本通のインド人の方から譲り受けたものだそうです。

 

 

 

着物での立ち居振る舞いを学ぶことは、日本人の持つきめ細やかな心や日本の生活を理解することに繋がります。

 

 

 

 

前述の森優子さんによる撮影タイムは、関西弁での盛り上げに笑い声が絶えません。

 

 

 

 

アジアでブームになっているという、「自撮り」(自分自身を撮影すること)用の「自撮り棒(セルフィースティック)」も登場。

 

 

 

撮影大会はいつまでも続きます。

 

 

 

日本での一生の思い出になるであろう着物姿を数千枚も撮影、編集、大学へのデータの寄贈からオンラインアルバム公開まで一手に引き受けて下さっている優子さんは、こんな風におっしゃいました。

 

 

 

 

『見知らぬ海外で、自分の身体に触れて携わってくれた人が不幸になることを人は望まない。身体で感じた温もりと感謝の気持ちは何があっても忘れない。』

お仕事で世界50か国以上を巡り、紛争や貧困、格差などの異文化を身をもって経験された重みのある言葉。

 

 

 

 

『今回、19人の着付けはさすがにハードでしたが、ずばり、やっぱり楽しかったですね!一人一人の故郷の家族や友人達にまで「Oh!Kimono!」という感嘆符が派生しているかと思うと実に愉快であります。皆さまと共に汗をかいてあの時間を紡げたことに心から感謝です。』と優子さん。

 

 

 

最後に心和むこのショット。

 

 

あどけなさの残る可愛い女の子の背中には、しなやかな羽が生えているように見えました。

この優しい表情が曇ることのないように、世界が平和で素晴らしい未来に向かって羽ばたけますように。

来年も日本で楽しい思い出をたくさん作って下さいね。

(photo by  yuko mori)

 

これまでの活動の様子はこちら↓

3月1日  世界への架け橋

5月20日 世界への架け橋vol.2

12月10日 世界への架け橋vol.3

4月10日 世界への架け橋vol.4

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