2017.03.20
3月20日 贈る言葉 

 

4月1日(土)・2日(日)の書道展に向けて教室は賑やか。

アシスタント講師の横山裕園先生や、カメラマンの千葉広子さん、書道教室のOG達もレッスンにミーティングにと力を貸してくれています。

展示作品の一つは『折り句』の書画。

打ち合わせの際、子供達がいろんな画材で描いた下絵をテーブルに広げると感性豊かな彩りに歓声が上がりました。

 

 

子供はみんなアーティストです。

展覧会を開く目的のひとつは、楽しみながらベストを尽くし、書写力を発展させること。

生徒さんによっては、展覧会を乗り越えることで実力がジャンプアップすることも多くあります。

 

『折り句』とはご存知ない方もいらっしゃると思いますが、言葉の頭文字を始めに置いて別の意味を持つ文章をつなげて作る、古くからある日本の言葉遊びの一つです。

今回は「名前」をテーマに感謝の気持ちを伝える文章をつなげて、一人一人心を込めて『折り句』作りました。

「大切な人(あるいはペット)に向けて、美しく下絵を描き、きれいな字で仕上げたい」と意欲が湧けば、筆文字にもより力が入りますね。

書かれた文字には上手い下手ではなく、その人の人間性が表れます。

そのため、言葉の内容を美しく正確に表現しようとする努力が人を育て、書くということの意義も感じてもらえるのではと思っています。

未来のある子供達にこうしたことを伝えていくのも私の大切な役割であり、作品創りを楽しみながらも書の本格に迫りたいという願いも。

 

Mちゃんは2年生でまだ毛筆を始めていないのにもかかわらず集中して見事な書きぶり。

 

 

 

お母さんのお名前「みちこ」を何度も練習したUくん。

お母さんを大切に思う気持ちのこもった『折り句』が、丁寧に綴られていきます。

 

 

 

 

いつも前向きで向上心の高いCちゃんは大好きなお父さんのお名前の『折り句』で、練習にも熱が入ります。

 

 

 

 

地域の書初め展にも数多くチャレンジする頑張り屋のCちゃん。

 

 

 

 

今年の、調布市在住・在学の小学生対象『明るい選挙啓発書道展』でも、応募点数833点のうち入賞23名という難関を突破。

 

 

 

 

気持ちの行き届いた安定感ある線で書かれた『未来を築く』で、4年連続の入賞になりました。

 

 

 

 

『折り句』の下絵はお父さんをイメージしたグッズを配して色鮮やかに。

 

 

 

 

Cちゃんの尊敬するお父様がどんなにか喜ばれることでしょう。展示が楽しみですね。

 

 

 

 

お友達の名前をゆったりとした線でのびのびと書いたのは5年生のMちゃん。

 

 

 

 

言葉と絵と書が三位一体となり、優しい心を伝えてくれます。

もう一つの展示作品は、漢字一文字書。

 

 

 

 

今年の抱負を漢字一文字で表現しました。

Mちゃんは『楽』という字を最古の漢字と言われる「甲骨文字」で書くことにし、本当に楽しそうに練習。

清書は、遊び心のあるほのぼのとした味わいの作品に仕上がりました。

 

 

 

 

毎回、個性的な作品を生み出し、一目置かれているクラスのムードメーカーTくん。

酉年年男のTくんは、小学校生活の集大成にふさわしい躍動感あふれる「酉」でみんなを驚かせてくれました。

 

 

 

 

この桜色の和紙に書かれた漢字一文字書は、昨年の桜まつり書道展と同様、大きな一本の桜の木になり皆さまをお迎えする予定です。

 

 

昨年度の展示(【桜の花】(小・中学生)【木】甲骨文(前田遥水))

 

これは、2011.3.11東日本大震災の直後に現地で開かれた書道展を鑑賞した歌人の後藤由紀恵さんが詠まれた句に感銘を受けて創ったものです。

今年もまた咲き誇る桜を見ることの出来る幸せに感謝し、子供達がこれからも毎日幸せでありますように。

 

~わたくしの   倍の春むかえる子らのため  百年先も花を咲かせよ~

~文字は希望 言葉は光   この先を 笑い泣きつつ子らよ生きゆけ~

後藤由紀恵(2013年6月 朝日新聞夕刊~あるきだす言葉たち~)

 

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