2016.03.30
3月30日 桜まつり書道展を終えて

 

先週末、遥水書道教室主催の『桜まつり書道展~ひとふで・ひとひら・しもたか散歩~』が、世田谷の『下高井戸コワーキングスペース iNBENTO』にて開催されました。

 

 

746

 

 

 

お天気にも恵まれ、街は『第41回しもたか大さくら祭り』の期間中ということもあって、二日間で250名余りという大変大勢の方にご高覧いただきました。

地元の皆さんを始め、神奈川、埼玉、千葉など遠方から時間をかけてお運びいただいた方も多くいらっしゃいました。

初めての自主開催でどれくらいの方が来ていただけるのか全く予想がつかず、蓋を開けてみて会場に溢れたたくさんの笑顔に感動の連続でした。

頑張った生徒さん達、支えて下さったご家族の皆さん、骨身を惜しまず働いてくれたスタッフ、開催に尽力いただいた下高井戸商店街の皆さん、そして会場にいらして下さったお客様、全ての方々に心より感謝申し上げます。

 

 

 

783

 

 

当日お越しになれなかった方や、遠方の方からも数々の温かい応援の声が届きました。

たくさんのお花や差し入れ、祝電もいただき改めて御礼申し上げます。

今日はフォトグラファー千葉広子さんの写真と共に、誌上展覧会で様子をお伝え出来たらと思います。

 

 

751

【ああ 旅に出よう How do you feel?】 miya takehiro 『a Little English』より (前田遥水)

 

 

 

753

【桐の羽子板に木簡墨で書初め】(小・中学生)…帯にディスプレイ

【淡墨で自由書】(小学生)…床面

自由書は、レッスンが終わった後に余った墨で淡墨を作り筆遊びしたもの。へのへのもへじや水墨画風の絵など愉快な作品達を床にちりばめました。

 

 

748

【甲骨文字】(小・中学生)…天井にディスプレイ

漢字の成り立ちを学び、古代文字の世界に想いを馳せました。

顔彩で彩りを添えると、習字というよりも現代アートに変化。

この制作で学んだ字は、きっと子供達の心に深く刻まれたことでしょう。

会場の空間の使い方、展示の仕方で雰囲気はガラッと変わります。

しつらえを担当して下さった二村朋世さんの力で、書にあまり馴染みのない方でも楽しんでいただける空間になったのではと思います。

 

 

752

【笑門来福】(群鷲書道院漢字師範 講師 横山裕園)…掛け軸

【心に残る干支の年賀状】(前田遥水)…机上

その他、躍動感に満ちた中3女子の【威風堂々】から80代後半の生徒さんまでそれぞれの想いの詰まった作品。

学びに終わりはありません。

美しく表装された自分の作品に会場で初めて対面した生徒さん達は満面の笑顔で驚き、喜んでいらっしゃいました。

 

 

 

754

【名前を書に】(小・中学生)

世の中でもっとも耳に甘く響くよい音楽は、自分の名前の響きである(デール・カーネギー)

 

人生で一番多く書く字であり、親から子への世界一の贈り物「名前」。

この大切な字が美しく書けるように、自分の名前の字や含む言葉を書きました。

展覧会のための指導には、講師の横山裕園先生にも大変助けていただきました。

作品には書き手の写真を添えています。

子供達の真剣な表情がイメージを膨らませ、大好評でした。

 

 

 

755

 

【色紙・短冊・般若心経】(中学生・一般)

【硬筆】(幼稚園生~一般)

小学生の硬筆は自作の俳句や言葉を書きました。

俳句を作るのが難しい小さな子には、先輩の生徒がアイデアを出してお手伝い。

「ちょうちょはね ひらひらとぶよ ぼくもとびたい」「さくらさく 二年になるよ たのしみだ」など可愛らしい言葉が紡がれました。

そして、千葉広子さんが3ヶ月に渡りレッスンに密着して撮影して下さった大量の写真から50枚を選び展示。

普段目にすることのない様々なショットに、こちらもたくさんの好評の声をいただきました。

 

 

756

【桜の花】(小・中学生)

【木】甲骨文(前田遥水)

 

わたくしの  倍の春むかえる子らのため 百年先も花を咲かせよ

文字は希望 言葉は光  この先を 笑い泣きつつ子らよ生きゆけ

2013年6月 朝日新聞夕刊~あるきだす言葉たち~より

 

これは東日本大震災の直後に現地で開かれた書道展を鑑賞して、歌人の後藤由紀恵さんが詠まれた句です。

この句に感銘を受け、子供達が毎日幸せでありますようにと願いを込めて創った大作。

甲骨文の「木」は淡墨で書いて長さ250㎝の布にプリントし、天井から吊るしました。

子供達は、自分の好きなことを桜色の和紙に自由に表現。

お手本通りではなく自分の字で書くことで、見た方にも書道を身近に感じていただけたらと思いました。

当日は桜の下が賑やかな撮影スポットに。

 

 

 

757

【この道より 我を生かす道なし この道を歩く(武者小路実篤)】(前田遥水)写真右

他、中学生・高校生・一般の方々の力作

 

展覧会に際して、生徒さんは書きたい文字を自分で選び、紙や筆、墨色、表装も工夫し多くの学びを得ました。

「書」とは言葉を書く芸術。心にかなう言葉を作品にすることが出来たら素晴らしいですね。

 

 

760

 

【寄書き】(小・中学生)

みんなが大好きなお父さんとお母さんに心を込めて。

【逢】(前田遥水)

長さ3mの一枚の紙にみんなで寄書きをしました。ご両親への感謝の言葉が丁寧に書かれて気持ちが伝わります。涙をを浮かべる方も多くいらっしゃいました。

 

787

 

 

友人のミュージシャン、戎谷俊太さん。

お客様が途切れた一瞬、床に腰を下ろし『この道より 我を生かす道なし この道を歩く』の書に向き合われました。

「ずっとずっと探していた大切な何かを見つけたような気持ちです。」とのこと。

私も胸が熱くなりました。

 

次回のブログでは、書道展での様々な出会いや盛んな交流の様子、笑いあり涙ありの出来事を楽しく綴りたいと思います。

 

TOP↑