2024.04.10
4月10日 新たな書の世界

ようやく桜が満開を迎えました。

今年は咲くのが遅れたので、入学式にグッドタイミングで記念撮影出来たご家庭も多かったことでしょう。

今ひとつのお天気が続いていた東京ですが、昨日の春の嵐から一転して今日はすっきりと晴れました。

一日中晴れるのは8日ぶりとか。

ここは桜上水という地名の通り、あちこちで咲き誇る姿を見ることが出来ます。

 

 

 

 

最後の桜を楽しみたいと思います。

そんな暖かな春の陽気を感じるこの頃、新しい時代の息吹が吹き込まれたような三つの書道展に行ってきました。

一般的に書道の展覧会というと、漢字作家が中国の漢詩を書いたものや、仮名作家が日本の和歌などを書いたものが所狭しと並ぶものがほとんど。

しかしこの三つの書展は、書道に詳しくなくてもどなたでも書の良さを味わっていただけるのではと思える新感覚のものでした。

まずは私が所属する会の名誉会長で、2023年度の日本芸術院賞も授賞された仮名書家、高木厚人先生の『KOREKARAの高木厚人展』。

 

 

平成記念美術館ギャラリー(世田谷区桜)

 

コロナ禍真っ只中の2021年に開催された『KOREMADEの高木厚人展』第二弾とのこと。

当時、その斬新な展示スタイルに感激した様子をブログで細かくレポートしました。

 

2021年1月30日ブログ KOREMADEの高木厚人展

 

㈱平成建設という建築会社に併設されたギャラリーでは、1階のフロアは通常の展示で格調高い大作を間近で観賞することが出来ます。

 

 

 

 

そして圧巻なのは2階の展示ブース。

建設会社の方々の明晰な頭脳とクオリティの高い職人の方々の手で生み出された室内空間に見事に響き合う書。

 

 

空間演出により一層心にグッときます

 

古典仮名を追求しつつ、様々な書の世界を描こうと試みる高木厚人先生の新たな舞台。

 

 

自然木と美しく調和する書

 

今週4月12日(金)まで開催中です。是非。

 

次は春の有楽町へ。

フランス、ボルドーを拠点にご活躍の書道家Maaya Wakasugi(マーヤ・ワカスギ)さんの作品を見学に、まるで海外のラグジュアリーホテルのようなペニンシュラ東京に足を踏み入れました。

 

 

5つ星ホテル ザ・ペニンシュラ東京

 

NHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』の題字を手掛けられたMaayaさんは、いつもお世話になっている山口文林堂さんのお得意様でもあります。

 

 

山口社長ご夫妻、Maayaさんと共に(2021年銀座個展にて)

 

『アート・イン・レゾナンス(アートとの共鳴)』と名付けられたこの特別プログラムは、ホテル内に制作スタジオが用意されてMaayaさんが約2週間に渡って滞在。

「春」をテーマに、ロビーでライブパフォーマンスを披露したりゲストとの体験教室や交流を楽しみながら作品を制作したり、

 

 

古代文字アートや書と絵画の融合表現

 

その新作がホテル内を彩ったりという何とも素敵な企画。

 

 

ザ・ロビー(1階)

 

作品は4月末にかけて「ザ・ロビー」や、皇居外苑や日比谷公園などの絶景が楽しめる最上階24階の「Peterバー」に展示されるそうです。

こちらも機会がありましたら是非。

 

そして最後は前衛的な作風で「黒の魔術師」と呼ばれている書道家、金田石城先生の「言葉力展」。

 

 

有楽町マリオン11階 朝日ギャラリー

 

こちらは各界の著名人の方々の信条にしている言葉や座右の銘を、圧倒的な迫力の書で表現された展覧会です。

 

 

 

 

作品の撮影は残念ながらNGでしたが、どの言葉もそのかたの生き方が書に乗り移っているような強烈な表現で胸に刺さりました。

 

 

 

 

この展覧会があることは広島の同級生が、「朝のテレビで…紹介してて…〇〇ちゃんと重なってしまって…」とラインで教えてくれました。

Mちゃん、いつもありがとう!

そう、私も「近代詩文書」という書の分野で書こうとする言葉に挑み、言葉の意味や内容をその言葉にふさわしい表現で伝えることを模索し続けている一人です。

このGWに新宿京王プラザホテルで開催されるMIKAKO展「前進」では、感銘を受けた名言に挑戦した大字作品2点と自詠の折り句作品1点、出展させていただきます。

 

 

 

 

何を書くか、言葉を選ぶところから始め、その大切な言葉が見て下さった皆さんの心に届くよう全身全霊をかけて取り組みました。

主宰のMIKAKOさんは、心に染み入る言葉を生きて呼吸するように自然に表現される天性のアーティスト。

今回もたくさんの新作が皆さんの胸を打つことでしょう。

GWのお出かけに是非、加えていただけたら幸いです。

私は全日、13時より在廊しています。

それ以外の時間帯でもお越しいただけるようでしたらいるようにしますのでご連絡下さい。

次回のブログでは、制作の様子も書いていきたいと思います。

 

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