2018.04.20
4月20日 春のめぐり逢い

それは突然の電話から始まりました。

『岩国で小学生の頃、古川奠雪先生に書道を習っていました!前田さんのHPを見て同窓だとわかり、懐かしくて思い切ってお電話してしまいました…』

と、柔らかな女性の声。

私も驚き嬉しくて、同じ麻里布小学校だったこと、同時期に古川先生の教室にいたことやその様子など、どんどん弾む会話。

 

 

 

 

小学校5年生の時に岩国から転出された後も書道を続けられ、現在は横浜の横浜書道学校で教鞭を執っておられるという翠邦先生。

一本の電話から旧知の友のように親しみを感じ、先生が活躍されている学校の社中展が開催されるとお聞きして勇んで川崎の『アートガーデンかわさき』へ。

 

 

 

 

ビルに入るとひときわ目を引く『第32回青陵展』の大きな垂れ幕。

 

 

 

会場には、古典に立脚しつつもバラエティに富んだ豊かな書の世界が広がっていました。

 

 

 

 

翠邦先生とも笑顔でご対面、初めてとは思えないような温かさで歓迎して下さり本当に嬉しい出逢いになりました。

 

 

『心』翠邦書

 

 

先生のゆったり大らかな『心』の書の周りにはたくさんのお弟子さんが集まり、写真を撮り合う賑やかな場面も。

最初に古川先生のところへ通い、共に習うよう勧められたというお母様の品格の高い『般若心経』と、若いお嬢様の瑞々しい漢字作品も展示されていました。

 

 

 

 

 

 

 

親子三代で熱心に書道に精進されていることに感激、私の書についても「古川先生の美しい筆法をしっかりと受け継いでいらっしゃいますね」と言っていただきジーンとしました。

この素敵なめぐり逢いを幕開けに、これからも末永く良いお付き合いが出来たらと願っています。

そして翌日は、いつもお世話になっている三鷹の『山口文林堂』さん山口社長からご案内いただいた、『Maaya Wakasugi小品展』を見学に神保町へ。

 

 

 

 

Maaya Wakasugi(マーヤワカスギ)さんは、昨年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の題字を揮毫された、フランス、ボルドー在住の新進気鋭の書道家。

この書が降りてくるまで千枚書かれたそうです。

 

 

 

 

会場のカフェ、トロワバグさんは神保町駅すぐの地下一階。

 

 

 

 

そっと扉を開けると、昭和レトロの世界に迷い込んだような空間に躍動する作品が見事に溶け込んでいました。

 

 

 

 

中でも目を奪われたのは、『春のエッフェル塔』というタイトルの最新作。

 

 

 

 

近づいてよく見ると、桜を表しているであろうピンク色のハートの部分は、花びらに見えるひとひらが優しい文字でした。

 

 

 

 

『笑』『愛』や『夢』、『smile』、塔に添った部分には『ありがとう』や『merci』の文字も。

パリを象徴するエッフェル塔、そして日本の象徴である桜。

一枚一枚の花びらはささやかだけれど、言葉の一語一語が大きな意味を持って全身で大きな桜を生み出しパリの街に降り注いでいるように感じました。

山口さんの手による白い額縁と和紙マットの美しい表装も素晴らしかったです。

そして、二部作の『松のエッフェル塔』はエッフェル塔を松に見立てたような純和風。

 

 

 

 

日本人のDNAでしょうか、ふっと肩の力が向け何ともいえない心地よさを感じる作品でした。

二つの作品を通じて、Maaya Wakasugiさんが世界に進出して背負っているものを垣間見たような大きな感銘を受けました。

会期は、好評により5月4日まで延長されたとのこと。

お近くへ行かれましたら是非立ち寄られてはいかがでしょうか。

 

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