2014.06.20
6月20日 創作筆文字Tシャツ

 

 

 

梅雨の中休みでさわやかな青空が広がった朝。

 

 

 

 

 

 

Tシャツに墨で思いきり書いてみました。

 

 

 

 

 

 

『岳』

これからの季節は、長雨や突然の豪雨などのダイナミックな自然の動きに立ち向かうことになりますね。

どんなに荒れた山でも果敢にチャレンジし登っていくような、困難も乗り越え、目標に向かって一歩一歩着実に歩むイメージをどっしりした線で表現しました。

 

 

 

 

 

『光』

文字の成り立ちは、頭に松明のような照明を載せてひざまづき、王様や身分の高い人々が通る道を照らしている人を描いた象形文字です。

光とは自分が光り輝くということでなく、人を照らし明るくすること、そして「未来への希望」という意味もあります。

 

「一隅を照らす 此れ即ち国宝なり」  最澄

 

自分が置かれた場所で精一杯努力し、明るく光り輝くことの出来る人こそ、何物にも変えがたい貴い国の宝。

一人ひとりがそれぞれの持ち場で全力を尽くすことによって、社会全体が明るく照らされていくのだという教えです。

現在のその先にある、鋭くまばゆい一筋の光をイメージして。

 

 

 

 

 使用したのは、「帛書墨」という布に書くために開発された墨汁です。

Tシャツの裏面に染みこまないように、Tシャツと同じ大きさの段ボールに書道用下敷きを貼りつけたものを身ごろに差し込み、表面を平らにして書き始めます。

布の素材はかすれやすいので、筆にたっぷり墨を含ませてゆっくりと運筆。

 

 

 

 

 

 

思いを伝える書。

 

 

 

 

 

 

興の向くままに書き連ねていたら、帛書墨が尽きてしまい普通の墨汁にチェンジ。

墨汁だと滲みが出てしまいますが、それも味わいとばかりに勢いに乗って書き続けました。

 

 

 

 

 

 

 

文字に手があるとしたら、バランスを崩しもがきながらも一生懸命その手を伸ばして何かをつかみ取ろうとしているような、若い息吹を表現しました。

 

 「とにかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば具体的な答えが出るから」 相田みつを

 

 

 

 

 

 『和』

仲良くすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること。仲直り。争いをやめること。調和。平和。

大きく「日本」も意味し、サッカーワールドカップ開催中で強い連帯感を感じている私達は改めて感じ入る言葉でしょう。

旁の部分を円にし、円陣や、地球を表してみました。

 

 

 

 

 

 『一心』

多くの人が心を一つにすること、そしてもう一つの意味は、一つの物事に集中した心、専心。

『一心精進』という言葉にも心惹かれます。

右往左往することなく、自らの信念に基づいて懸命に努力すること。自らの心それのみを尽くして他に惑わされることなく励むこと。

 簡単な文字ほど難しいもの、文字通り全神経を集中させて一心に書きました。

 

 

 

 

 

 最後は『奏』

 「奏でる」は皆さんご存知の通り音楽を演奏するという意味ですが、それ以外に「手足を動かして舞う」という意味があります。

激しく舞うことで腕があらわになる、「腕(かいな)が出る」となり、それが「かなでる」になりました。

そして舞う時は曲が演奏されるので、そこから「音楽を演奏する」ということも「奏でる」に。

「夢を奏でる」、「人生を奏でる」と表現されることもあります。

 内から湧き出る力で音楽や夢や人生を創り上げて行くイメージを肉太な線で。

 

 

 

 

 

 筆文字は千数百年もの間、私たちの暮らしに溶け込んできたもの。

携帯やパソコンでなく、手書きで書くことで気持ちも伝わります。

書道教室でも夏はみんなで七夕の短冊に願い事を書いたり、筆文字うちわを創ったり、楽しい創作に挑戦します。

オリジナリティあふれる作品の数々、またブログでご紹介して行けたらと思います。

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