2017.07.30
7月30日 咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ  

父の初盆のため羽田から山口へ帰省。

久しぶりに座った窓際席から、瀬戸内海の島々が美しく浮かんでいるのが見えました。

 

 

 

昨年の夏は、猛暑の中でも一緒に歩いてお墓参りをすることが出来た父。

あれから早くも1年。

集まった私達を、初盆でこちらに帰って来た父が穏やかに見守ってくれているように感じました。

体調が悪化してからは飲むことが出来なかった大好きな焼酎も、きっと一緒に飲んでいたことと思います。

 

いつもお世話になっている住職さまは、こんなお話をしてくださいました。

 

~咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ~

 

私たちは普段、きれいなお花だけ見てなかなか気づかないことですが、花が咲き誇れるのは目に見えない根っこが一生懸命栄養を吸い上げているから。

父母のおかげで人生の花を咲かせている私たちも、両親の前には4人の祖父母、8人の曽祖父母がいて、4代目で16人、32人、64人、128人と続き、このうちの一人が欠けても存在することが出来ませんでした。

漢字の「恩」という字は、「因」の下に「心」と書くように、先祖の方々がそれぞれ苦しい時代の中で懸命に命のバトンを繋いで下さったことを感謝し、精一杯生きていきましょう。

 

この言葉の原文も記しておきたいと思います。

 

花は枝によって支えられ

枝は幹によって支えられ

幹は根によって支えられている

土にかくれる根は見えない

外からは何も見えない

咲いた花見て喜ぶならば

咲かせた根元の恩を知れ

 

通りがかりに見かけた、凛と咲く蓮の花。

まだたくさん咲いてはいなかったのですが、一輪一輪がしっかりと花を咲かせていました。

 

 

 

故郷岩国は、日本有数の蓮根の名産地です。

幼い頃はあちこちに蓮根畑があり、改めてきちんと眺めることはありませんでした。

 

 

 

 

水の下の泥の中に根を張り、泥にまみれることなくスーッと伸びた茎、水滴さえはじき汚れ一つない大きな葉、清らかな美しい花。

その姿に、多くの縁を得て今生かされているありがたさをしみじみと感じました。

 

初盆の行事が終わり父の遺品を整理していると、書類の間から名刺大の紙片が。

 

 

 

 

そこには、昨年の春の書道展の日時や場所が、小さな字で記されていました。

ほとんど外に出ることなく療養していた父がなぜメモしたのか、今となっては聞くすべがありません。

「頑張れよ」と声を掛けてくれたような気がしました。

 

 

 

 

いつも気遣ってくれていた父に最高の恩返しが出来るよう、これからも書に真摯に取り組んでいきます。

 

次回のブログでは、夏休みの教室の様子をお伝えします。

子供達は楽しい筆文字コースター創り、お楽しみに。

 

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