2017.07.20
7月20日 夏の書の冒険

 

朝から気持ちのよい青空。

東京も梅雨明けの便りが届き、もうすぐ楽しい夏休みですね。

9月の書教展に向けて、屋外で書いています。

 

 

 

 

作品を創作するにはまず、心に響く詩文を選ぶのが第一歩。

そしてそれを表現するための書体や書風、構成を考え、合う筆を探し、紙の大きさ、縦か横か、墨を水分量を変えながら試し、書いてみて、直して、道具を変えてまた書いて…。

こうした数々のプロセスを経て、イメージに近い作品になるまで追求していきます。

しかし、材料が揃って書き込んでいるとどうしても煮詰まってしまうもの。

室内で集中力を研ぎ澄ませて書くことも大切ですが、いつもの場所から飛び出して身体をいっぱいに使って書くと不思議に、何もとらわれない開放感のある作品が出来ることがあります。

 

環境を変えてみる。

7月末の締め切りまであと少し、吹く風を感じながら精一杯頑張りたいと思っています。

 

こうして実際に筆を執るより前には古典臨書はもちろん、感性を高めるために、書だけでなくたくさんの良い芸術作品に触れることも大切なこと。

そこに創作のヒントを見出すことも多くあります。

 

先月は、世田谷の五島美術館で開催された『近代の日本画展』、六本木の国立新美術館で行われた『日本水墨画院展』を鑑賞する機会に恵まれました。

 

 

 

 

梅雨空に映える、風情のあるたたずまいの五島美術館。

東急電鉄の創設者である五島慶太氏の美術コレクションを保存・展示するために昭和35年に開館しました。

 

 

 

 

「花鳥画」を中心に、橋本雅邦、横山大観、川合玉堂、前田青邨など明治から昭和にかけての日本を代表する画家による美しい日本画をゆっくり堪能。

 

 

 

 

当日行われていたギャラリートーク『近代書家の書』では、副館長の名児耶明先生が、館蔵の近現代の書やその歴史についてわかりやすく解説して下さり、非常に勉強になりました。

 

 

 

 

古来よりある書の種類『漢字』と『仮名』ではなく、『近代詩文書』・『漢字仮名交じり書』あるいは『調和体』と呼ばれる新しい表現を模索した時代の先生方の斬新な作品の数々に、ひたすら感動。

改めて、絵のように見て楽しめる芸術としての書を鑑賞して、暑い夏場の制作に向けて大きな励みにもなりました。

 

そしてこちらは梅雨の晴れ間に訪れた新国立美術館。

建築家の黒川紀章氏設計の、うねるようなガラスの外壁はいつ見ても圧巻です。

 

 

 

 

墨一色で表現する、精神性の高い絵画の世界へ。

 

 

 

 

書道とほとんど同じ用具を使う水墨画ですが、白と黒の濃淡だけで浮かび上がる幻想的な世界に、目を凝らして見入ってしまいました。

 

 

 

 

海外からの見学者も多くいらっしゃいました。日本文化への注目の高さがうかがえます。

内閣総理大臣賞を受賞した大作(写真中央)は、木々の間から差し込む光に照らされたお寺の陰影の描写がそれはそれは美しく神秘的でした。

 

 

 

 

中には故郷岩国の懐かしい錦帯橋の水墨画も。

 

 

 

 

岩国といえば、岩国の観光大使も務めている友人の折り句作家MIKAKOさんから『第2回全国折り句コンテスト』のフライヤーが届きました。

 

 

 

 

書道教室でもみんなで楽しく参加する予定です。

折り句の書画は、幼児からご高齢の方までどなたでも個性のある作品づくりをすることが出来ます。

賞金や賞品のお楽しみも。

皆さんも夏の思い出に是非ひとつ、描いてみてはいかがでしょうか。

 

一般社団法人 日本折り句協会

ポエムピクチャーアーティスト MIKAKO Official Homepage ~君は無限~

 

 

 

 

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