2018.07.20
7月20日 故郷を遠く離れて vol.2 

『…山口大変でしたね。何とか美しい橋が大丈夫だったのが希望でした。…』

と、東京の友人から胸が熱くなるメールをいただきました。

 

 

 

 

やはり、岩国の錦帯橋は故郷の象徴であり、心のいしずえなのだと改めて感じました。

この度の西日本豪雨で山口や岩国のことを心配してお声かけくださった方も多く、お心遣いがとてもありがたかったです。

先日、岩国へ帰省し、落ち着きを取り戻した錦帯橋周辺を歩きました。

猛暑の中でも、ボランティアで清掃して下さっている方がたくさんいらっしゃいます。

 

 

 

 

城山の麓のお堀の水は溢れ、近隣の住宅は冠水したところも多かったそうで、「朝、目が覚めたら床下に鯉が泳いでいた。」というお話も伺いました。

 

 

 

 

鯉や亀などお堀の動物たちも今は悠々と。

 

 

 

 

吉香公園内には、岩国の夏の風物詩、『鵜飼い』の鵜の飼育施設もあります。

 

 

 

 

錦川が仕事場の鵜ですが、普段は水に濡れたままでいると弱るそうです。

この施設は、取り囲む白壁が少し高くなっているため、水が浸入せず無事守られたとのこと。

 

 

 

 

鵜は一見地味に見えますが、艶やかな羽と宝石のサファイアのような碧色の瞳を持つ可憐な鳥。

元気一杯に羽根を広げている姿を見ることが出来ました。

 

 

 

 

岩国でお世話になった先輩、tatu_no_koさんのブログで春に伐採されたと知り気になっていた、山口県天然記念物のエンジュの木の場所も訪ねました。

 

 

 

 

高さ25メートルもあった大木がバッサリと切られ、しかしその平らな切断面から噴き出すように生えている若葉の勢いに目を見張りました。

このブログを書いている時にちょうど、tatu_no_koさんもこのエンジュの木に想いを寄せておられたというミラクル。

ブログ『日々のことを徒然に』より「エンジュの木」(2018年7月19日中国新聞掲載)

 

錦帯橋を後にし、通りかかった広い蓮根畑。

蓮の花はまだ一つか二つでしたが、泥の中からすっくと茎を伸ばし、しっかりと上を向いて大きな花を咲かせていました。

 

 

 

 

蓮の花を見ると、どのような状況でも強く生きるのだという意思を感じ、力付けられます。

2017年7月30日ブログ 咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ

 

今回の災害は、ニュースを見る度に『矢野』、『坂』、『呉』など、友人知人がたくさんいる地域が映し出され、被害地域の深刻さに絶句してしまいます。

暑い中、ご苦労されている方々を思うといたたまれない気持ちですが、私に出来ることを精一杯やって行こうと思っています。

 

書く仕事が出来るだけでありがたい生活。

書には人の心を癒す力があると信じています。

岩国では、市内各地の川沿いでたくさんの蛍が見られますが、幻想的な光に包まれる懐かしい故郷の山里を折り句にしたためました。

 

 

 

 

  ほ し空のまたたきのように 儚い命燃やして

  た えまなく光を放つ 無数の蛍

 る さとの静かな夏の夜 あなたと見た夢

 

命にかかわる暑さが続きます。皆さん、無理のないようくれぐれもご留意ください。

 

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