2016.09.30
9月30日 熱き夏の思い出

『第101回書教展』が終了しました。

お忙しい中、また台風の影響で荒天が続く中、足を運んで下さった皆さま、大変ありがとうございました。

 

 

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私は最終日の朝、滑り込みで見学。

師の根本伸也先生にお目にかかることも出来ました。

作品制作にあたって大変お世話になり、展示された作品について温かい批評もいただき心より感謝しています。

 

 

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『我逢人』(我(われ)人と逢うなり) 道元禅師の言葉 (4尺×4尺)

 

展覧会場で自分の作品と初めて向かい合う時は、技術の未熟さにへこむと共に、美しく表装された姿に嬉しさも込み上げます。

作品の制作は、まず書く言葉を選び、草稿を創って下書きするところからスタート。

見る人の心に響く作品を創り上げるには、題材から受けた感動を筆に託せる草稿が出来るかどうかがとても大切になります。

人と人との出逢いの尊さを三文字で表現したこの言葉。

年に数回訪れる『相田みつを美術館』では『逢』という書の英訳にこう書かれていて感銘を受けました。

 

 

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『 a meeting  a chance  an experience 』

 

これからも人と逢うことを大切に、人から学び人に感謝して成長して行けたらと想いを込めて作品にしました。

2016年6月10日ブログ 書と出逢うとき

 

こうして紙面が整ったところで先生に見ていただき、指導を受けながら何度も修正して書き込み、それを二人三脚のように繰り返して仕上げていきます。

今回の作品は夏の間、屋外で書き込み。

天候に左右される墨色に悩まされながらも蝉しぐれをBGMに全身全霊を込めて、熱き夏の思い出にもなりました。

 

さて、書教展。

入場して最初のフロアでは役員の先生方の研ぎ澄まされた作品の数々が目に飛び込み、リズムに乗って動き出しそうな線に引き付けられました。

 

 

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名誉会長 高木厚人先生

『生ける世の 別れを知らで契りつつ 命を人に 限りけるかな(他一首)』 源氏物語 紫式部

 

 

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代表理事・理事長 福島一浩先生

『黄蝶ひとつ 山の空ひくく翻へる 長き年月 かへりみざりしに(他二首)』 斎藤茂吉

 

 

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副理事長 根本伸也先生

『春なれや 名もなき山の朝霞  しばらくは 花の上なる月夜かな(他四首)』 松尾芭蕉

 

 

学生のフロアは天井近くまで壁一面に作品が展示されていて圧巻。

 

 

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土曜日とあって、朝早くから大勢の家族連れで賑わっていました。

 

 

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未来を担う小学生が力いっぱい書き上げた作品。

 

 

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中学生の作品は古典臨書や仮名など表現の幅が大きく広がり、その見事な書きぶりは大人と遜色ありません。

 

 

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そしてこちらは席書大会の優秀作品。

会場で一堂に会し、お手本を見ずに書いたとは思えない品格の高い書に感動します。

日々の努力の積み重ねですね。

 

 

優美な先生方の作品、そして子供達の元気いっぱいの字。

日本にはこんなに美しい、人の心に染み入る文字の伝統が脈々と受け継がれている、そしてそれを伝え広げて行く使命のようなものを感じつつ会場を後にしました。

折りしも、上野公園では日本文化を世界に発信する文化イベント「東京江戸ウィーク」が開催中でした。

 

 

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そして翌日の日曜日は、東京ビックサイトで開催されていた『ツーリズムEXPOジャパン』へ。

 

 

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2015年度の訪日外国人客数が初めて2,000万人の大台を突破し、2020年までに4,000万人に増やすことを目標にしているとのこと。

2020東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、日本の伝統文化を見直そうという大きなうねりを感じます。

このお話は次回のブログで。

 

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