2013.09.10
9月10日 心技一如

 

2020東京オリンピック開催決定に、日本中が喜びに沸き、高揚感に包まれていますね。

「チームジャパン」、「おもてなし」など飛びかう言葉に深くうなずき、胸が高鳴る中思い浮かんだのは、「心技一如」(しんぎいちにょ)という言葉。

「心」とは、精神面のこと、「技」は、技術のこと。

「一如」は、分けられない一つのもの、同じであるという意味です。

 

 

昔から、柔道や剣道等の武道においてよく用いられる言葉ですが、日々、技を磨く鍛錬をしていれば、心の修養になって人格が高められるということですね。

オリンピック招致活動では、日本人の「心技一如」で、難関に対して、スポーツ界のみならず様々な業種や立場の方が心を一つにして周到な準備をし、持てる技の限りを尽くされました。

そして、正々堂々と構えあい全力で立ち向かったその精神が心を打って、感動を呼んだのではないでしょうか。

 

書道では、「書は心画なり」(楊子雲)・「心正しければ、すなわち筆正し」(柳公権)と言われます。

書の文字は、その人の心を映す鏡であるので、美しい字を書くためには雑念を取り払い、常に一生懸命美しく丁寧に書くように努力を続けていれば、いつか書けるようになる。

そしてそれは美しく正しい心を育むことにつながるということでしょう。

 

書道教室においても、暑い中や雨の中、ランドセルやスクールバック姿で通ってくる生徒、部活や勉強と書道を両立している生徒、お仕事で疲れている帰り道に立ち寄られる方、忙しい家事や育児の合い間をぬって来られる方、皆さんが教室で一心不乱に書いている姿はとても美しく、作品にも反映されて、まさに「心技一如」であり、「書は心画なり」だと感じます。

毎月出品している競書誌には優秀作品が写真版で掲載されますが、8月は下記の4名の生徒さんの作品が写真掲載されました。おめでとうございます。

幼稚園年長さんの12月から通っている最年少、小学1年生のNちゃんは、3月の卒園式終了後に書道教室に来て、「卒園式、リハーサルかと思ってたら、ほんとの卒園式だった!」と言って笑わせてくれた可愛い女の子。

小学2年生のMちゃんは、昨年末のお申し込みから3ヶ月も空席待ちをしてこの教室に入ってくれました。

青山学院大学で学び、就活に打ち込んでいる女子大生のUちゃんは、就活スーツ姿で教室に駆け込むことも。

下高井戸駅前でネイルサロンを営む20代の若き経営者Kさんは、おけいこのあとお仕事に戻られることもしばしばです。

 今後も生徒の皆さんの「心技一如」の精神を培うために、心落ち着く憩いのおけいこ場でありますよう、私も頑張りたいと思います。 

 

 

 

 

今週から、新学期最初の書道教室もスタートしました。

 夏休み明け、プールや海、部活などで真っ黒に日焼けした小中学生達はお顔も心なしか大人っぽくなったように感じます。

一回り成長した子供達から、夏休みの楽しかった思い出のお話を聴くのもとても楽しみです。

秋には、昇段級試験、冬の書初めと続きますが、今月からまた元気に楽しくおけいこをしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

また、9月初めには、所属している「(公社)全日本書道教育協会」主催の「第98回書教展」の審査会が池袋の豊島区民センターで行われ、中学生と高校生の作品の審査を担当させて頂きました。

 

 

 

   こちらにも壮大な、「心技一如」の世界が広がっていました。

 

 

 

 

 

 

ひたすら暑かった今夏、大作に挑んだ学生たちのパワーに、大きなエネルギーをいただきました。

会期中は、元気いっぱいの子供達の大書や、先生方の素晴らしい作品も展示されます。

お時間が許せば是非、上野の東京都美術館にお運び下さい。

私も初日に見学する予定です。レポートはまたブログで。

 

 

 

「第98回 書教展」 東京都美術館

平成25年9月19日(木)~24日(火) 

午前9時30分~午後5時(最終日は正午まで)

 

 

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