2019.09.30
9月30日 心を伝える書

ラグビーW杯で日本代表が世界ランキング2位のアイルランドに歴史的勝利をあげ、盛り上がっていますね。

都内では各国からの外国人の姿も多く、来年の東京オリンピックの時はどうなるのだろうと期待が高まります。

 

京王線新宿駅

 

そして本日9月30日は、『第4回全国折り句コンテスト』の応募締め切り日。

暑い夏の間に取り組んだ70作を出品しました。

1枚1枚の作品に心を打つストーリーやドラマがあります。

日々膨大なメッセージが飛び消えていくデジタルツールではなく、真っ白な紙面に向かって一発勝負の手書き。

集中して書いていても「先生ー、一つ字を飛ばしちゃった!」、「字がつぶれたー!」(筆で書くので墨量の調節が難しい)、「全部書けないっ」(文章が紙面からはみ出る)など、泣きが入ることもしばしば。

失敗からしか学べないことも多いものです。

書き損じを繰り返しても直筆で心を伝える最高の1枚を表現して欲しいと、毎年教室をあげて取り組んでいるコンテスト。

年に一度の機会ですが経験を重ねて子供達の成長にも目を見張るものがありました。

 

 

 

 

頑張った生徒達を思い浮かべながら、誤字脱字がないか再確認する作業も幸せなひとときでした。

コンテスト展覧会や生徒全員の作品展示会はまた後日ご案内したいと思います。

制作にご協力いただいた保護者の皆さま、大変ありがとうございました。

 

(本日9月30日24時まで応募受付。SNS部門あり、詳細はこちらです。ご興味があれば是非!)↓

http://oriku.or.jp/contest2019/

 

 

さて、9月19日(木)から26日(木)まで上野の東京都美術館で開催された『第104回書教展』は好天に恵まれ盛会裡に終了。

22日(日)には厳粛な雰囲気の授賞式に参加させていただきました。

 

 

東京都美術館 講堂

 

夕方からは華やかな祝賀パーティで、日頃なかなかゆっくりお話が出来ない先生方と楽しくテーブルを囲むことが出来ました。

 

 

上野精養軒

 

授賞式当日は高木厚人名誉会長の作品解説も行われて熱気のあふれる会場。

 

 

 

 

入口すぐの壁面には小学生から大学生までの特別に優秀な受賞作品が美しく表装されて展示。

フレッシュな学生達の書のパワーにご観覧の皆さんも感服されていました。

 

 

 

 

そしてメインの広々とした展示室には役員の先生方の素晴らしい作品。

 

 

 『春立つ日のうた』 名誉会長 高木厚人

 

師の根本伸也先生の作品は、品格の高い春夏秋冬の俳句が風が舞っているかのごとく絵画のような構成の素敵な作品でした。

 

 

『万太郎の俳句を』 代表理事 根本伸也

 

23日(月)には同門の先輩方と共に先生の作品解説も聴講。

今回展の役員作品や受賞作品について貴重なお話を伺い勉強させていただきました。

 

 

 

 

多彩な作品の中にはメディアでも人気の高い青山浩之先生のスケールの大きな作品も。

 

 

『幽玄』外部招待研究員 青山浩之

 

 

私の作品は賞をいただいたことで、生徒さんや友人、知人など30名以上の方が見に来て下さり私も5日間連続で上野へ。

何年かぶりに旧交を温めた方も多く感謝の日々、本当に嬉しく心よりお礼申し上げます。

残念ながら時間が合わず同行出来なかった方には申し訳ありませんでした。

 

 

 

『山腹の暁』 堀口大學の詩(3尺✕6尺 約90㎝×180㎝)

 

心に歡びが生れるやうに 闇の中から光が生れる

夜の中から山巓が生れる 劫初の世界を私は思ふ

明けかゝる山巓を私は見詰める

 

【山巓】・・・山のいただき、頂上、山頂部の最も高いところ

【劫初】・・・この世が成立したはじめ、長い時間の始まり(仏教用語)

 

大自然に包まれた山の夜明けの情景を見事に描いた大學の詩。

この厳かな世界観を令和の始まりの希望の書として表現すべく、筆に魂を込めました。

作品のありがたいご感想やたくさんのご祝意も大変ありがとうございました。

先生方より忌憚のない貴重なご意見も多くいただきました。

皆さんの温かいお心を糧に次回展も更に精進したいと思います。

 

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